5分でわかるVR(バーチャルリアリティ)とAR(拡張現実)の違いについて

VR(バーチャルリアリティ)とAR(拡張現実)の違い

近年、話題となっているVR(バーチャルリアリティ:仮想現実)と、数年前に話題となったAR(拡張現実)。似て非なる二つの言葉ですが、「VR」や「AR」といったキーワードに親しみがない方にとっては、「何が違うのか?」分からない部分があります。こうした技術に取り組む当事者の私たちにでさえ、「ARとはこういうもの」、「VR(バーチャルリアリティ)との違いはここ」といったように明確な言葉で説明するのが難しいテーマです。

「VR」と「AR」。実際に制作されたコンテンツを見てみると、この二つの言葉の「どちらにも当てはまる」ような事例も少なくありません。これだと、例えば何かの企画でモノを作るときに、「VR」を作ればいいのか、「AR」を作ればいいのか、分からなくなってしまいます。こういった言葉は、ある特定の技術やソフトを明確に指し示すものではなく、「技術の性格」や「コンテンツの意味合い」を指す言葉だと考えると、少し分かりやすくなるかもしれません。このページでは、そういったVRとARの違いを、できるだけ簡単な言葉でご説明していきます。

現実世界で人が感知する情報に、「何か別の情報」を加えて表現するのが「AR(拡張現実)」。

AR(Augmented Reality:拡張現実)とは、「拡張」という言葉が指す通り、現実世界で人が感知できる情報に、「何か別の情報」を加え現実を「拡張」表現する技術やその手法のことです。視覚情報に、視覚だけでは感知できない情報を付加して表示するタイプのものが、事例としてはポピュラーです。例えば、スマホやタブレットのカメラ映像に表示される現実世界の映像に対して、位置情報などのデータや、実際にはその場にないはずの映像やCGを重畳させて表示するといったものです。実際の事例を見てみます。

星座表は、ARアプリの王道とも言えるオーソドックスな取り組みです。実際の星空を眺めながら、その星座の形や名前を確認できるなんて、ロマンチックですね。ARを使って現実世界を拡張し、ユーザーの利便性を高めるという良い事例です。

一方で、スマホやタブレットなどのモバイル端末を使ったARは、企業のプロモーションやキャンペーンとも親和性が高く、様々な事例が存在します。ナショナルジオグラフィック社のARプロモーションは、ショッピングセンターといった公共性の高い場所で、大型スクリーンを活用した多人数参加型・体験型のARコンテンツです。都市空間での現実世界に、大自然やロストワールドの世界映像を重畳させるというダイナミックな取り組みで、世界中で開催され話題を集めました。

イケアの事例では、「IKEAカタログ」というカタログアプリの中に、ARによる家具配置のシミュレーション機能が含まれています。この機能を使って、検討中の家具の3D映像を、自身の部屋に置いてみて全体の印象を確認することができます。「せっかく買った家具なのに、実際に部屋に置いてみると印象が違った」という、インテリア業界では起こりがちな問題に対する取り組みです。家具の3D映像だけでは分かりにくい全体の印象を、ARによって実際の部屋の映像に3D映像を重畳することで表現することができます。ARの特性をうまく活用した事例です。

ARの世界には、GPSやデバイスの加速度センサーを利用した「ロケーションベースAR」。あらかじめ配置された「マーカー」をカメラで読み取って、意図した場所に映像や画像を重畳させる「マーカー型ビジョンベースAR」など、いくつかのタイプがあります。最近では、マーカーを使わずに、現実空間に実際にある物体や造形の特徴を検知しトリガーとする「マーカーレス型AR」などの事例も増えてきました。ただAR全般に共通するのは、やはり「現実世界」の情報に、「何か別の」追加情報を加えて表現・利用する取り組みが、ARということができそうです。視覚情報のみならず、音声情報や、嗅覚・触覚など、人間のあらゆる感覚を拡張するための研究も盛んです。また、Google社が提供する「Google Glass」など、新しいデバイスも登場しつつあり、それらにARの技術が浸透していくことで、より豊かな表現、より便利な世の中をARが実現していく日も近いでしょう。AR(Augmented Reality:拡張現実)の発展は、まだまだこれからです。

仮想世界を含めたあらゆる体験を、時間や空間を超えてまるで現実世界のように表現するのが「VR(バーチャルリアリティ)」。

一方で、PANOPLAZAのメインテーマである、バーチャルリアリティ。バーチャル(仮想)という言葉が、CGや「架空の世界」を連想させますが、空想の世界を作り上げ体験することだけが、「バーチャルリアリティ」ではありません。「バーチャルリアリティ」という言葉は、「バーチャル(仮想)」も含めたあらゆる空間表現を、「まるで現実(リアリティ)であるかのように」体験するための技術や取り組みの総称だと、私たちは捉えています。ARとの大きな違いは、「ARが現実世界をベースに、追加情報を付加」するのに対して、「VR(バーチャルリアリティ)は、様々な形で作られた現実のような世界」に、「ユーザ自身が飛び込む」という部分にあります。作り込まれた「バーチャルリアリティ」がなんであれ、ユーザーが「まるで本物の世界」のように、体験し、行動することができるのが、「バーチャルリアリティ」の本質です。

事例をいくつか、ご紹介します。

ひとつ目の事例は、PANOPLAZAにてお手伝いさせて頂いた事例でもあります。「ジャガーランドローバー」社の、新車発表プロモーション企画で利用された「バーチャルリアリティ」で、Oculus Riftを使って、世界的なテニスプレーヤーである「錦織圭 選手」とのドライブを疑似体験できるというものです。当時まだ発売前の車なので日本に実車はなく、撮影はロンドンやバルセロナで行われました。「いまここにない車の試乗体験」を、時間と空間を超えて「バーチャルリアリティ」で体験できるというコンテンツです。さらに当時、全米オープンで準優勝を果たしたばかりの「錦織 圭 選手」との試乗を疑似体験できるということも話題となりました。実際には実現が難しい体験を、「まるで現実のように」、「バーチャルリアリティ」で体験するという典型的な事例です。

「zSpace」は、米zSpace社が開発する未来型の立体ディスプレイ。「立体メガネ」を着用すると、ディスプレイ各部に搭載されたセンサーがメガネの動き、つまりユーザの頭の動きを検知し、それに合わせてディスプレイ上の画面を立体表示します。これによりディスプレイに表示される映像は立体的に、物体はディスプレイ上部の空間に浮かんでいるように描画され、専用のペン(スタイラス)を使ってまるで「現実の物体」のように動かしたり回転できます。zSpaceによる立体視は秀逸で、画面上に浮かんだ仮想の物体を手に取るように操作することができます。ヘッドマウントディスプレイとはまた違った、没入感を実現しています。

「機動戦士ガンダム 戦場の絆」は、2006年に初代バージョンがリリースされた、バンダイナムコが提供するアーケードゲームです。コックピットを模した大型の筐体の内部はドーム型の大型スクリーンとなっており、モビルスーツ (アニメ作品内に登場する人型の大型ロボット)の操縦士として戦闘ミッションに参加します。バーチャルリアリティはこれまでゲームとの親和性が高く、様々な作品が発表されている中で、「コックピットを模した操作ブース」、「パイロットという特殊な体験」、「CGにより作り込まれた仮想世界」、「オンライン対戦などの付加価値」など、ゲームの枠を超えて、総合的な観点から「バーチャルリアリティ」と呼ぶにふさわしいゲームコンテンツの代表が、「機動戦士ガンダム 戦場の絆」です。

いろいろな形態が進化を遂げ、様々な形で活用されるバーチャルリアリティ

前段で、「現実世界の情報に、何か別の追加情報を加えて表現・利用する」ものがAR、「様々な形で作られた現実のような世界に、ユーザ自身が飛び込む・体験する」ものがVR(バーチャルリアリティ)であると書きました。ARにしてもVRにしても、その最終的な形態は様々です。ご紹介したバーチャルリアリティの事例では、ヘッドマウントディスプレイを使って体験するもの、特殊なディスプレイを使ってインタラクティブに操作するもの、ゲームの世界に没入するために構築されたデバイスやコンテンツなど、多様な形で実現されています。ただ、どの事例にも共通しているのが「様々な形で作られた現実のような世界に、ユーザ自身が飛び込む・体験する」点であり、その体験の質をいかに「現実に近づけられるか」がVR(バーチャルリアリティ)が挑戦し続けるテーマであり、その面白さでもあります。

VR(バーチャルリアリティ)とAR(拡張現実)は、日々進歩を続けています。どちらも、視覚情報のみならず、その他の感覚も活かした「体験」を実現するための模索が続いています。近い将来、それぞれの言葉の垣根を超えて、例えばVR(バーチャルリアリティ)の世界にARのアイデアが盛り込まれる、またはその逆など、まったく新しいコンテンツが登場するかもしれません。例えばPANOPLAZAでは、360°パノラマ動画によるライブストリーミング・サービスを開始しています。こうした360°のライブストリーミングの中に、CGによる架空のキャラクターを登場させるなど、VR(バーチャルリアリティ)x AR(拡張現実)の試みもすでに始まっています。VR(バーチャルリアリティ)とAR(拡張現実)は、その言葉の意味合いこそ違うものの、それぞれの特徴を活かし融合させることで、「バーチャル体験」をより高い次元へと導いてくれるキーワードでもあるのです。

 

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